添加物の【かんすい】は身体に有害なのか!?最新添加物事情

2017年9月30日

原材料の欄を見た時「かんすい」と書かれていることがあります。

主にラーメンなどめん類に使われていることが多いでしょう。

「かんすい」と言うと、それだけで何となく身体に悪そうですが、実は古いかんすいと新しいかんすいがあります。

詳細をお知らせします。

 

 

かんすいとは

かんすいとは、麺に中華麺どくとくの「もちもち感」を出すものです。

いまいちイメージが付きにくいと思いますので、うどんと中華麺を思い浮かべてみてください。

 

うどんはかんすいが使われていない

かんすいが使われていないうどん

 

中華麺はかんすいが使われている

かんすいが使われている中華麺

 

どちらも原材料は小麦粉です。

でも、色も触感も全然違います。

この差の多くは「かんすい」なのです。

 

かんすいの正体は、固形と液体があり、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなど。

これらは違うものですが、食品添加物としては「かんすい」と呼ばれています。

 

お店のラーメン屋さん、カップラーメンなどほとんどすべてのラーメンにかんすいは使われるのか?

それは、公正競争規約に中華麺とは、「小麦粉にかんすいを加えて捏ね上げ製麺したもの」と定義があるからです。

厳密に言えば、かんすいと同じことがかんすい以外を使ってもできるのですが、それは日本の法律で「中華麺」から外れます。

ラーメンみたいにしても、ラーメンではないのです。

かんすいを使わないものは中華麺ではないのです。

らーめんとかんすい

 

元々、かんすいは、モンゴルで偶然発見されたと言われています。

その鹹水(塩湖のアルカリ塩水)を使った製麺技法が編み出され、麺類の伝播とともに日本にも広がったとされています。

しかし、日本の多くの製品では、こういった天然のかんすいではなく、工業的に生成されたかんすいをつかうことがほとんどです。

そこがまたイメージが悪い点です。

 

かんすいは、本来海水を煮詰めたらできるものです。

それをさらに煮詰めて、塩を取り除いた後のものを「にがり」と呼びます。

「塩+にがり」と考えてよいでしょう。

かんすい自体は身体に悪いものではありません。

 

その他のかんすい

かんすいには、炭酸ナトリウムと炭酸カリウムだけではありません。

「炭酸水素ナトリウム」も食品添加物としてかんすいに分類されます。

 

「重曹」と呼んだ方が馴染みがあるかもしれません。

これらは、呼び名が違えど全部同じものです。

名称が色々あるので余計にややしくなっているのかもしれません。

 

昔のかんすい

その昔、苛性ソーダを主成分とする粗悪なかん水が出回りました。

別名「水酸化ナトリウム」。

理科の実験で使ったことがあるかもしれません。

 

苛性ソーダとは、単純なアルカリとして上水道・下水道や工業廃水の中和剤として使われたりします。

石鹸の原材料だったりします。

 

食品添加物としては、パン、スナック菓子のプレッツェルの生地を水溶液に浸けて、表面のつや出しと食感改善にも利用されています。

ただし、使用した後、高温 (170 °C 前後) で焼かれるので、炭酸ナトリウムに変化して製品には残りません。

 

昔は、質の悪い重曹を使った麺がありました。

臭いも悪く、触感も良くなかったのです。

そのため、「かん水は体に悪い」というイメージがついて、一般に広がりました。

このあたりが、諸悪の根源かもしれません。

 

現在では、日本食品添加物協会が発行する「かんすい確認証」を添付したかん水でないと販売できなくなっています。

食品衛生法で製造用剤としては認められているのですが、食品の完成前に中和又は除去する必要があります。

少なくともある程度の品質は保たれていると言うわけです。

 

まとめ

かんすいは元々、海水を煮詰めたらできるような天然のもの。

「塩+にがり」みたいなものです。

 

現在では、かんすいのほとんどが工業的に生成されたもの。

炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなど。

固形と液体がある。

 

重曹と言う名称でもなじみのある炭酸水素ナトリウムもかんすい。

苛性ソーダ(水素ナトリウム)を使ったかんすいもあった。

昔は質が悪く、「かんすい=身体に悪い」と言うイメージが流れたが、現在では法律で一定の品質が保たれている。

 

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