添加物の【かんすい】は身体に有害なのか!?最新添加物事情
原材料の欄を見た時「かんすい」と書かれていることがあります。
主にラーメンなどめん類に使われていることが多いでしょう。
「かんすい」と言うと、それだけで何となく身体に悪そうですが、実は古いかんすいと新しいかんすいがあります。
詳細をお知らせします。
かんすいとは
かんすいとは、麺に中華麺どくとくの「もちもち感」を出すものです。
いまいちイメージが付きにくいと思いますので、うどんと中華麺を思い浮かべてみてください。
うどんはかんすいが使われていない
中華麺はかんすいが使われている
どちらも原材料は小麦粉です。
でも、色も触感も全然違います。
この差の多くは「かんすい」なのです。
かんすいの正体は、固形と液体があり、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなど。
これらは違うものですが、食品添加物としては「かんすい」と呼ばれています。
お店のラーメン屋さん、カップラーメンなどほとんどすべてのラーメンにかんすいは使われるのか?
それは、公正競争規約に中華麺とは、「小麦粉にかんすいを加えて捏ね上げ製麺したもの」と定義があるからです。
厳密に言えば、かんすいと同じことがかんすい以外を使ってもできるのですが、それは日本の法律で「中華麺」から外れます。
ラーメンみたいにしても、ラーメンではないのです。
かんすいを使わないものは中華麺ではないのです。
元々、かんすいは、モンゴルで偶然発見されたと言われています。
その鹹水(塩湖のアルカリ塩水)を使った製麺技法が編み出され、麺類の伝播とともに日本にも広がったとされています。
しかし、日本の多くの製品では、こういった天然のかんすいではなく、工業的に生成されたかんすいをつかうことがほとんどです。
そこがまたイメージが悪い点です。
かんすいは、本来海水を煮詰めたらできるものです。
それをさらに煮詰めて、塩を取り除いた後のものを「にがり」と呼びます。
「塩+にがり」と考えてよいでしょう。
かんすい自体は身体に悪いものではありません。
その他のかんすい
かんすいには、炭酸ナトリウムと炭酸カリウムだけではありません。
「炭酸水素ナトリウム」も食品添加物としてかんすいに分類されます。
「重曹」と呼んだ方が馴染みがあるかもしれません。
これらは、呼び名が違えど全部同じものです。
名称が色々あるので余計にややしくなっているのかもしれません。
昔のかんすい
その昔、苛性ソーダを主成分とする粗悪なかん水が出回りました。
別名「水酸化ナトリウム」。
理科の実験で使ったことがあるかもしれません。
苛性ソーダとは、単純なアルカリとして上水道・下水道や工業廃水の中和剤として使われたりします。
石鹸の原材料だったりします。
食品添加物としては、パン、スナック菓子のプレッツェルの生地を水溶液に浸けて、表面のつや出しと食感改善にも利用されています。
ただし、使用した後、高温 (170 °C 前後) で焼かれるので、炭酸ナトリウムに変化して製品には残りません。
昔は、質の悪い重曹を使った麺がありました。
臭いも悪く、触感も良くなかったのです。
そのため、「かん水は体に悪い」というイメージがついて、一般に広がりました。
このあたりが、諸悪の根源かもしれません。
現在では、日本食品添加物協会が発行する「かんすい確認証」を添付したかん水でないと販売できなくなっています。
食品衛生法で製造用剤としては認められているのですが、食品の完成前に中和又は除去する必要があります。
少なくともある程度の品質は保たれていると言うわけです。
まとめ
かんすいは元々、海水を煮詰めたらできるような天然のもの。
「塩+にがり」みたいなものです。
現在では、かんすいのほとんどが工業的に生成されたもの。
炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなど。
固形と液体がある。
重曹と言う名称でもなじみのある炭酸水素ナトリウムもかんすい。
苛性ソーダ(水素ナトリウム)を使ったかんすいもあった。
昔は質が悪く、「かんすい=身体に悪い」と言うイメージが流れたが、現在では法律で一定の品質が保たれている。
ディスカッション
ピンバック & トラックバック一覧
[…] [icon image="arrow2-r"] 添加物の【かんすい】は身体に有害なのか!?最新添加物事情 […]