【日本酒の添加物】日本酒はお米だけで出来るはずなのに色々な添加物が入っている理由

2020年9月17日

日本酒って本当に不思議です。

日本酒の材料と言えば、米だけなのにわざわざ「純米酒」なんて書いてあります。

実は、そこには、味にこだわる製造者と、儲けにこだわる製造者の兼ね合いと、せめぎあいと、があるのです。

 

 

日本酒の作り方

日本酒は、米に米麹を仕込んで、酵母の力で発酵させます。

この麹が米のたんぱく質をアミノ酸に変え、うま味になります。

この具合が絶妙で、甘味、酸味などのバランスを良い具合にして、日本酒になります。

これが純米酒です。

日本酒と添加物

 

純米酒も色々あります。

 

ただ、これではコストも時間もかかりすぎて、商売としては成り立たないことが多いのが現実です。

そこで、アルコールを入れて薄めて増量します。

アルコールは単なるエタノールではなく、「醸造用アルコール(酒類原料用アルコール)」です。

 

 

これは「アルコール添加清酒」、略して、「アル添酒」と呼ばれます。

商品名としては、「本醸造」と名乗っています。

本醸造を名乗るときは、添加していいアルコールの量が決まっています。

実際は24%程度のようです。

つまり、200mlのワンカップくらいの大きさで1000円のの純米酒があったとしたら、248mlまで薄めていいのです。

同じく200mlで売るとしたら、800円になります。

 

これが、「一般清酒」となると、さらに薄めてもいいのです。

アルコールが添加できる量は決まっていませんので、純米酒1本から、一般清酒が10本作ることができるのです。

実はアルコールだけではなく、調味料も使います。

調味料とは、ブドウ糖、水あめ、グルタミン酸ナトリウム(化学調味料)、乳酸、コハク酸、などを追加します。

200mlのワンカップで1000円の純米酒が2000ml(2L)になりますので、100円にまで価格を下げることができるようになるのです。

 

さらに安い「合成酒」「合成清酒」は醸造用アルコールにいろんなものを添加して作ります。

ベースが焼酎だったりすることもあります。


このように、日本酒は高い順に「純米酒」「本醸造酒」「一般清酒」「合成酒」のようになっています。

 

それとは別に、「吟醸」とか「大吟醸」とか、ありますが、これはお米の削り具合です。

酒にするときに、最初にお米を削ってから仕込むのですが、60%まで削ったお米で酒を造ったものが「吟醸」です。

通常の白米は90%くらいまで削ったものです。

米は、外部がたんぱく質で、内部は糖質です。

たくさん削って仕込んだお米の方が甘いお酒になるのです。

 

50%まで削ったら「大吟醸」と呼びます。

吟醸とか、大吟醸とかは、お米の削り具合です。

 

大吟醸、吟醸と純米、本醸造、一般清酒、合成清酒、は関係ありません。

大吟醸の本醸造もあるのです。

 

名称 原材料
純米酒

米麹

本醸造

米麹

醸造用アルコール

普通酒(一般酒)

米麹

醸造用アルコール

糖類

酸味料

合成酒(合成清酒) 醸造用アルコール

ブドウ糖

水あめ

グリセリン

コハク酸

乳酸

グルタミン酸ナトリウム

グリシン

アラニン

酸性リン酸カルシウム

着色料

香料

 

 

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