食品添加物には「からくり」がいっぱい
1991年(平成3年)に、食品の包装(フィルム・パッケージ)に食品添加物の表示をすることが義務付けされていきました。
完全表示義務付けには2年程度の猶予期間が設けられていましたが、
自社商品の全面見直し。また、関連企業には扱う商品・製品の原材料表示の確認作業など、
日々の仕事に上乗せして添加物の表示に振り回された記憶が鮮明です。
一消費者団体の追及運動が政府を動かし、添加物表示を明記する運びになったと記憶しています。
食品会社に勤めて私が体験・経験したこと。
「キャリーオーバー」という言葉を耳にしたことありますか?
食品を製造する過程において使用された食品添加物が食品に微量しか残らなかった場合、
その名前を添加物表示しなくてもよいということ。
みかんの缶詰
ケーキに使ったり、フルーツポンチに使ったり、ヨーグルトに・・・。
色も綺麗で、甘味もちょうどいい。
一体どうやって綺麗に皮をむいているのでしょう?
こんな疑問を抱いたことはありませんか?
実際、ご自分でみかんの皮をこんなに見事に剝くことはできませんね。
実は、塩酸を使って実に効率よく皮を溶かしていたのです。
塩酸と聞けば非常に劇薬で恐ろしい薬品で、毒性もあります。
加工工場で、ローラー状態で回転をかけながらみかんを数時間0.3%程度の塩酸の
シャワーをかけくぐらせて丁寧にみかんの薄皮を溶かしていきます。
中和させるため、0.7%の水酸化ナトリウム溶液を用いて2~3時間。
残留している塩酸が完全に除去され、シロップで煮込んで缶詰されるんです。
なぜ塩酸を使用しているのに食品添加物表示がないの?
食品として完成する前に添加物の残留がない、除去するというので、
食品添加物表示が免除される仕組みなのです。
塩酸は揮発性に優れているのが利点である上、
塩酸の中にみかんを投入すれば、みかんの皮を構成しているセルロースだけが
加水分解され水溶性になり、皮だけが綺麗に溶けてしまう仕組み。
さらに圧力をかけて塩酸を浸透させると、つぶつぶだけ残り粒々みかんの完成。
みかんの皮むきに塩酸を使用していること
塩酸の添加物表示がなされているだけで、みかんの缶詰を買う人がいなくなりますね。
塩酸
水酸化ナトリウム
どちらも劇薬ですね。
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