「乳化剤」・・・。
「乳」という漢字を使っているので、「乳製品」が使われているかのように思えますが、
実際には・・・
『乳化』
水と油のような、本来混ざりにくいものを混ざりやすくする添加物を乳化剤といいます。
乳製品やミルクとは何の関係もありません。
例えば、マヨネーズは、卵黄中に含まれるレシチンが乳化剤として働いて、
サラダ油が卵や酢の中に均一に混ざっている食品です。
また、食品成分の境界面の性質を変える作用を利用して、
ケーキなどの起泡剤、焼き菓子などの型離れをよくする離型剤、
デンプンの食感劣化を防ぐ老化防止剤など、様々な目的で使用されます。
1)乳化
複数の成分を味のばらつきがないようにまとめている乳製品・乳飲料などに、
乳化剤の乳化効果が活かされています。
2)浸透
薬や粉末飲料などに乳化剤を予め添加しておくと、水を加えたときにスムーズに溶かす
ことができます。また、チューインガムに乳化剤を添加すると、口の中で唾液と
反応してすぐに柔らかくなりますので噛み やすくもしてくれます。
3)起泡
乳化剤を加えると、泡立ちを良くするだけでなく泡を長時間維持することも
可能になります。
4)消泡
泡立ちを抑えたりできてしまった泡を消したりする効果も。この『消泡』効果で、
ジャムや豆腐などに余計な空気を加えずに滑らかさだけを与えることができるのです。
5)分散
ムラなく一辺倒に均一に溶かすこと 「分散」
チョコレートなどの脂分を使った食品を作る時に分散効果を期待して
乳化剤を加えると、
どの部分を食べても滑らかな味わいと舌触りを得られることになります。
6)ツヤ出し
見た目を良くするためにも、乳化剤は大きな力を発揮します。薬やサプリメント、お菓子などに乳化剤を加えると、表面に光沢を得ることができます。見た目が良くなるだけでなく、喉にひっかからずに飲み込むことができますので、薬などの嚥下目的の商品には特に大きなメリットとなると言えるでしょう。
下記☆印は添加物表示名称です。
是非、サイトの情報をご覧下さい。
☆グリセリン脂肪酸エステル(グリセリンエステル)
油脂から得られる脂肪酸とグリセリンを反応させて製造されるエステルで、
モノ、ジ、トリエステルの3種類があります。
現在、酢酸モノグリセリド、乳酸モノグリセリド、クエン酸モノグリセリド、
ポリグリセリン縮合リノシール酸エステルなどが実用化されています。
乳化剤としての使用のほかに、起泡剤、豆腐用消泡剤、デンプンの品質改良剤など、様々な用途で使用されています。
使用対象食品:マーガリン、乳製品、乳飲料、菓子類などに広く使用されています。
☆サポニン(キラヤ抽出物、ダイズサポニン、チャ種子サポニン)
エンジュの花、キラヤの樹皮、ダイズの種子、チャの種子などから
抽出して得られたもので、主成分はサポニンです。
使用対象食品:清涼飲料水、酒類、乳製品、菓子類など
☆ショ糖脂肪酸エステル(ショ糖エステル)
油脂から得られる脂肪酸と砂糖を反応させて製造されます。
用いられる脂肪酸は、ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸などの高級脂肪酸、
酢酸、イソ酪酸などの低級脂肪酸があります。
親水性と親油性のバランスの幅が他の乳化剤に比べて広いという特徴があり、
乳化剤の他に、粘度調整やデンプンの老化防止、食感の改良などの目的で使用されています。
使用対象食品:ホイップクリーム、ケーキ、清涼飲料水、カレールーなど
☆レシチン(植物レシチン、卵黄レシチン)
アブラナやダイズの種子や卵黄から抽出して得られる、レシチンを主成分とするリン脂質です。
乳化、分散、湿潤などの作用の他に、油はね防止効果もあります。
また、レシチンを主成分とする健康食品も作られています。
使用対象食品:アイスクリーム、マーガリン、菓子類、調整粉乳などに広く使用されています。