たまご由来のレシチンは自然界にも存在する。工業的に生産したレシチンは安全か?
レシチンは、グリセロリン脂質の一種です。
自然界の動植物においてすべての細胞中に存在しているので、生命に必須の栄養素と言えます。
細胞の生体膜の主要構成成分でとのことです。
製造方法や安全性についてお知らせします。
ちなみに、レシチンという名前は、ギリシャ語で卵黄を意味するレキトスに由来すると言われています。
食品に添加されるものは、工業的に生成されています。
たまご由来のものと大豆由来のものの2種類がほとんどです。
たまご由来のものを「卵黄レシチン」、大豆由来のものを「大豆レシチン」と呼びます。
生産コストが安いので、食品に添加されるものは、大豆レシチンが多い。
卵黄レシチンの製造方法
たまごを割って卵黄だけを取り出します。
液卵黄に、アセトンで中性脂質を取り除きます。
エタノール等の高極性溶媒で抽出したものを減圧蒸留で乾燥させて製造します。
水分が多いので、先に噴霧乾燥やフリーズドライなどの温度をかけずに脱水する方法を使用する。
大豆レシチンの製造方法
大豆レシチンは、搾油したての油に温水を加えて沈殿させたものを準備します。
その後、遠心分離機を使って分離させます。
分離したものを乾燥させたものが大豆レシチンです。
水分を含んでいるときは黄色い豆腐状の物体です。
乾燥すると褐色の水飴のようになります。
これが、ペースト大豆レシチンです。
ペースト大豆レシチンを更にアセトン分散して、固形物を回収し、真空乾燥させたものが高純度大豆レシチンとなる。
レシチンの効果
レシチンには人間にとって良い効果があります。
- コレステロール値を下げ、動脈硬化の予防、胆石の予防
- 細胞の老化防止
- 記憶力の増大
- 自律神経失調症、不眠症、神経衰弱、精力減退などの予防と回復
- シミやそばかすなどの皮膚疾患の予防
- 高血圧、心臓病、肝臓病、糖尿病、貧血、腎臓病、不妊症など疾患の予防
- 脂質をコントロールし、ダイエット効果が期待されている。
- 肥満や妊娠中毒症の防止
- 各細胞への栄養補給、新陳代謝の促進
レシチンは人間にとって必須の栄養素である上に上記の様な効果があることから、かなり有用なものと言えます。
しかし、良いことばかりではありません。
レシチンの副作用
レシチンは人間にとって喜ばしくない効果もあります。
レシチンは基本的に体には良いものなのですが、卵黄や大豆など、アレルギー物質とされる成分が含まれる食品です。
レシチンの過剰摂取の場合は、アレルギー症状として発疹が起こる場合があります。
サプリメントのように高純度で生成されたものを大量摂取しない限り、あまり影響はない程度と言えます。
体調や体質によってはごくまれに吐き気やおう吐、下痢、腹痛などが起こる場合があります。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません