【添加物】還元澱粉糖化物(還元水あめ)とはどんなもので何にに使われているのか

2020年9月7日

最近少しづつ見かけるようになった「還元澱粉(でんぷん)糖化物」。

「還元水飴」と書かれている場合もあります。

これはいったいどんなものでしょうか。

安全なものなのか、危険性のあるのものなのか、どんなものに使われているのか、調査しました。

 

 

還元澱粉糖化物(還元水あめ)とは

還元澱粉糖化物(還元水あめ)とは、その名の通り還元した水あめです。

原料となる水飴の種類(糖組成)によって色々なタイプがあるのですが、大きく分けると2種類に分けられます。

甘味が強い「高糖化還元水飴」と甘味が低い「低糖化還元水飴」です。

 

高糖化還元水飴は、粘度が低い。

要するに、さらさらしています。

 

逆に、低糖化還元水飴は、粘度が高い。

要するに、ドロドロしています。

 

これらは、甘さとドロドロ具合(粘度)で用途によって使い分けられているようです。

 

甘味料のソルビトールと似ている用途となりますが、ソルビトールは食品添加物です。

還元澱粉糖化物は、食品添加物の指定がないので、「食品」として扱われます。

「無添加」とか「添加物なし」とか謳いたい場合は、還元澱粉糖化物を使うようです。

 

還元澱粉糖化物(還元水あめ)は何に使われているか

最近の世の中の風潮として、「砂糖は悪」となっています。

砂糖には砂糖の良いところがありますが、一概に砂糖を使っていると健康に良くないと思っている傾向があります。

 

和菓子の分野でも砂糖離れのため、砂糖の代わりに還元水飴を使用することが多くなっています。

これによって甘さは変わらずに砂糖を減らしています。

羊かんなどは、砂糖の効果を最大限に生かした例だと思います。

[icon image="arrow2-r"] 羊羹(羊かん)の賞味期限が長い件、消費期限・日持ちについても

 

羊かんの表面がカリカリで白く固くになるのを嫌う傾向にあるので、砂糖を使わず、水あめやソルビトールの様な添加物に置き換える傾向にあります。

その他、タレやドレッシングなどに使われることもあります。

これは、ドレッシングに使う塩の角を取ってなめらかな味にするためです。

 

モダマ(フカの湯引き)にも使われているようです。

還元水飴の用途

 

フカとはサメのことです。

この場合は、ニュージーランド産の銀ぶかを使っているようです。

からし酢味噌には、別に原材料と添加物の記載があるので、還元水飴である「還元デンプン糖化物」はフカに使われているようです。

モダマのからし酢味噌と添加物

 

用途としては、食塩の味の角取りかもしれません。

還元水飴の用途

安全度、危険度は

還元澱粉糖化物(還元水あめ)の危険度は、それほど高くはありません。

ただし、全く安全と言うこともありません。

 

従来の水あめは危険性はないと言えますが、合成した還元水飴の方は危険度が低いにしろ水あめよりは確実に高いです。

 

還元水飴の材料、澱粉(デンプン)とは、主にトウモロコシが使われます。

トウモロコシのデンプンが水あめになる

 

トウモロコシから「酸」や「乳酸発酵」を使ってデンプン(コーンスターチ)が分離製造します。

これは、大豆から作る「たん白加水分解物」に似ています。

[icon image="arrow2-r"] 【たん白加水分解物】の作り方と危険性

 

この工程で不純物を取り除きますが、ビタミンやミネラルが取り除かれコーンスターチになります。

次に、精製されたコンスターチに、「酸」や「酵素」を使って加水分解(糖化)します。

高精度に生成された糖は、毒ではありません。

常識の範囲内ならば、特に制限なく取って大丈夫なものです。

 

還元澱粉糖化物(還元水あめ)を摂ると、短時間で「ブドウ糖」になり、肝臓に送られます。

肝臓ではブドウ糖を貯蔵することができますが、一度に大量に処理できません。

処理できないブドウ糖は、血液中に流入します。

つまり、血糖値を急激に上昇させます。

 

ブドウ糖は、色んな物質と結合します。

身体の疲労回復などには、良いのですが過剰に供給され続けると、細胞の老化を進ませたり、各種疾患の原因となったりします。

 

還元澱粉糖化物(還元水あめ)は、適度に摂取する程度にしたほうがいいかもしれませんね。

とりあえず、できることと言えば、購入前に原材料表を見て、何が使われているか知ることから始めたら良いと思います。

 

こちらの記事もよく読んでいただいています
スポンサーリンク